ニュース&トピックス

不登校と向き合い成長していった子どもたちの物語 14 休み時間は常に単語練習

B君は「いじられキャラ」だった。

いつからそうなったのか、もう誰も覚えていないけど、

授業中、先生にあてられて「はい!」と立ち上がっただけで笑いが起こり、

答えるとまた笑われる。

誰もが安心して小ばかにして笑って大丈夫、

そんな雰囲気がB君にはあった。

 

たぶん、高2の夏休み明けだったと思う。

B君のキャラが変わった。

「いじられキャラ」は変わらなかったけど、

急に「がり勉クン」になった。

安い黒のボールペンを箱で買って、

白いコピー用紙の裏表に、

英単語を書き始めた。

休み時間はいつ見ても、

えんえん単語練習をしている。

最初はそのことをいじられていたけれど、

B君の単語書いてる時のオーラが強烈で、

人を寄せ付けない感じがあったので、

だんだん誰もチャチャをいれなくなった。

 

特に親しい友達もいなかったし、

成績も特にいいわけでもなく、

部活もしていないし、

いつもおどおどしていて、

時々、思い出したようにいじられるだけで、

たぶん、学校に来てて楽しいことはあまりなかったはずだが、

「休み時間はずっと単語練習してる人」

に変身することで、

周囲のいじりをけん制するだけでなく、

「今日は●●個の単語を書いた」

という達成感を得ることもできて一石二鳥。

 

驚いたのが、

毎日、単語を書きまくっていると、

一週間で黒のボールペンが1本なくなるんだそうだ。

B君は、使い終わったボールペンとコピー用紙を、

捨てずに全部保管しておいた。

コピー用紙の山が1センチ、2センチと積まれるのを見て、

にんまりしていたという。

 

そして迎えた大学受験。

先生も含め、周囲の誰も期待していなかったB君が、

大金星で、

誰もが知っている有名私大に合格した。

 

最初は、

いじりを回避するために、

休み時間誰とも口をきかなくていいように始めた単語練習だったはずが、

だんだん血となり肉となり、

本当の学力になったのだ。

 

この時の経験から、

「書いて覚える」方法を駆使し、

B君は税理士試験に合格した。

 

・・・ということで、本日の結論:

学校は勉強する場所。

休み時間が苦痛なら、

単語練習でもしていよう。

 

アート英語学苑

海住さつきでした。

Webで24時間365日
受付しております

お気軽にお問い合わせ・
お申し込みください。

専用のWebフォームまたはLINE公式アカウントを友だち追加して、
LINEトークにてお問い合わせしていただくことも可能です。