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不登校と向き合い成長していった子どもたちの物語 2 始まりは学校のずる休みだったM君フランスへ行く

始まりは学校のずる休みだった。

M君の家はお父さんがとても厳しい。

子どもの教育は母親に任せっぱなしという家庭も多い中、

M君のお父さんは「これからの世の中を生き抜くためには甘えは許されない」という骨太な方針のもと、

家庭の教育を一手に引き受けていた。

だけど、M君、息抜きが必要になっちゃったんだね、

ばれないように、こっそりと、学校をずる休みするようになった。

朝は、ふつうに登校するのだけど、

ちょっと寄り道して授業をさぼるとか、

週3回行くことになっている塾を、

週1回にしてあとの2回はさぼるとかなので、

意外にばれなかった。

 

塾に行くといって出かけたある晩、

雨が降り出したため、

お父さんが塾まで車で迎えに来た。

しかし、待っても待ってもM君は現れない。

しびれをきらしたお父さんが、教室のドアを開いた。

「M君は今日はいませんけど」

と答えると、

お父さん、思い当たるふしがあったのだろう。

すぐに家に車を走らせた。

 

その晩は、修羅場だったらしい。

「今日だけではないだろう」と問い詰められ、

結局、M君は数か月にわたって続けてきた「さぼり」を全部白状させられた。

塾にも親子で現れ、

「今までうそをついてすみませんでした」

と泣きながらM君が謝罪した。

 

さぼり事件はこれで一件落着したが、

ここから先のお父さんの対応がすごかった。

 

M君はもともとおとなしく、「覇気がない」タイプで、

お父さんが将来を危惧するのもやむなしという感じだったのだが、

学校に行きたくないという事実に親子で正面から向き合い、

「学校が面白くないから」ということに行きついたという。

 

面白くなかったら行きたくなくてもしょうがないよね。

 

怒られたからもうさぼりはしないだろうけど、

興味のもてないところに行って無為に時間をすごしていても、

成長は期待できない。

だったら環境を変えようということで、

外国に行ったらどうかということになった。

 

ちょうど、高校入試を迎えるタイミングだったので、

入学してすぐに休学させてくれる高校を探し、受験した。

「留学したはいいけど合わなかった場合、日本に帰ってくる居場所がないといけないから」

というお父さんの親心だった。

M君は、日本の高校入試を終えた後、

海外の学校にまず半年、お試し留学をした。

そして、大丈夫、やっていけるということを確かめた後、

正式に入学できる学校をさがした。

 

一年の半年、雪に閉ざされてしまうカナダの田舎の学校に入学したM君。

聞くところによると、カナダは冬の間暖炉にくべる薪を夏の間、割って準備するのが男の仕事というマッチョなお国柄なので、

やせっぽちだったM君もすっかりたくましくなったらしい。

英語だけでなく、フランス語も公用語だったので、

フランス語ができるようになり、

高校卒業後、「シェフになろう」と決めて、

フランスにわたることにしたという。

 

M君の場合、お父さんが厳しかったため、

不登校になったわけではなかったが、

おとなしい性格や、

学校の授業に興味がもてず、

不適合を起こしていたという点では、

隠れ不登校といっていいだろう。

 

しかし、

環境を変え、「外国語」という武器を手に入れ、

「シェフ」という職につくことによって、

自分の居場所を手に入れた。

 

「不登校」は子どもからのサインだ。

周囲の大人はそのサインを見落とすことなく、

その子にとって最適な学びの場をさがしてあげるサポートをするべきだと、

つくづく思う。

 

「助けて」と言えない子どもに代わって、

大人がSOSを出してあげてください。

 

アート英語学苑

海住さつきでした。

 

 

 

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