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不登校と向き合い成長していった子どもたちの物語 11 兄弟が不登校になった不幸

不登校になった子どもに兄弟がいた場合、

その子(=不登校になっていない方)の人生は確実に振り回される。

あえて言葉を選ばずに言うと、

親が不登校の子どもにかかりきりになってしまい、

学校に行けている方の子どもにまで手が回らない。

家族というのは、そういう諸々のことをひっくるめて運命共同体なのだ。

 

S君は、年の離れた兄が二人おり、

その二人が相次いで不登校になった。

お母さんは「一番下の子(=S君)だけはまともなんです」が口癖。

S君は毎日元気に学校に通っており、

友達も多く、

スポーツも好きなタイプで、

何の心配もない、

 

と思っていた(みんなが)。

 

が、しかし、

 

高校に入学したころから、

雲行きが怪しくなってきた。

上二人の兄は、

不登校と反抗期が同時にきたので、

お母さんは毎日バトルだったという。

しかし、S君には全く反抗期がない。

それもあって、お母さんは「手がかからないいい子なんです」と言っていたのだが、

二人の兄が進学で家を出てから、

一種の赤ちゃん返りみたいな症状が出てきた。

高校生になって、急に、お母さんにべたべたと甘え始め、

学校へ行かず、ずーっとお母さんとべったりしているのだ。

昼間、お母さんといっしょにランチに行ったり、

旅行に行ったり、

一見仲のいい親子なのだが、

それがずっと続くと社会との接点がなくなり、

勉強もスポーツも何もかもやめてしまって、

体は大きいけれども幼児みたいな青年になってしまった。

 

後から振り返ってみると、

兄二人は反抗して学校に行かないみたいなところがあったので、

それぞれ、別の道をみつけて巣立っていったが、

一番下の弟は、

小中学生のころ、

お母さんの愛情をうけられなかった穴埋めに不登校になったようなところがあり、

そこから抜け出すのに一番時間がかかった。

 

・・・ということで、本日の結論:

兄弟が不登校になるとその子の心にも傷が残る。

 

アート英語学苑

海住さつきでした。

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